サンプル:ああ、無情。人間関係まちがいだらけの対処術

「ああ、無情。人間関係まちがいだらけの対処術」☆第1話☆
                       (抜 粋)
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年齢20代半ばの男性。そこそこ規模の企業に勤める技術系会社員。
勤務はシフト制で眠い日はあるけれど、休日をきっちり取れる。
家族構成は両親と高校生の妹二人。いわゆる長男だ。
今、彼は実家と離れて職場に近いアパートで一人暮らしをしている。
彼には専門学校の元同級生で、その頃から交際をしている彼女がいる。
長く付き合っているので、彼の家族は、彼女と面識がある。
その彼から、次のような相談を持ちかけられた。
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「彼女は同業種大手の下請けのような数人規模の会社に就職しました。
 いつも一人で残業残業の毎日を送っています。
 上司はいつも先に帰ってしまうような連中で、
 彼女の体も限界のようなので、心配で仕方ないのです。
 そんな仕打ちを続ける会社に対して、
 何か策を講じることはできないでしょうか。
 余りに残業が多いので、
 僕の母親も一緒になって心配しているほどなんですよ…。
 本当に困っているんです。」

そう尋ねる彼の眼差しは、真剣そのものである。


このような相談には「会社を辞めちゃえば?」と答えるのが、一般的な答えだろうか…。

私から見れば、”残業残業の毎日を送っている”のは、「相談者の彼」ではない。
「彼女の状況」である。
だから、「彼」にいくら「会社を辞めちゃえば?」と言ってみたところで、
問題は一向に解決しない。

勿論、一つだけ彼が行動して解決する道はある。
それは次のようなものだ。
交際して充分、長い月日は流れている。
だから、こんな覚悟が彼の中にあるなら話しは違ってくる。

「早速明日からでも入籍して、僕が君を養うから、
 専業主婦になるなり、新しい職場を探すなり、
 リスクは僕に任せて構わないから、もうそんな会社辞めてしまいなよ。」
…という選択枝だ。この選択肢は彼の選択枝でもあり、彼女の選択枝にもなる。

このところを「彼」に尋ねると、
「いや、そこまで気持ちは固まってはいない、 今そのような話しになっても答えに困る」
という。
彼はすでにNOを選択しており、これでは彼女に選択の余地はない…。

はてさて、どのようにこの相談を解決させればいいのか…。

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